2012年03月02日

胸部レントゲン写真で、ここまでわかる・正面像でわかるリンパ節3・A-P window

正面像でわかるリンパ節シリーズ、2まで書いていたのに、3を書いていないことに今日気づきました。


というわけで、若干文脈には合いませんが、A-P windowについて。
A-Pwindowとは、この場所。


APwindow.jpg


AortaとPulmonary arteryの間のすき間、少し凹んだ場所のことです。
胸部レントゲン写真でいうと、ココですね。


APwindow


拡大するとココ。







ここには、#5〜#6といったリンパ節があり、その腫脹によってwindow(窓)が埋まってくる、あるいは飛び出してくると、見えていた凹み部分が盛り上がってくるため、認識できるようになります。


508537ココ.jpg


こんな感じです。
CTでは、Aortaの下に腫脹したリンパ節を見ますね。


508537CTココ.jpg

2011年07月15日

胸部レントゲン写真で、ここまでわかる・縦隔は思っている以上にやわやわ・患側へのshift2

縦隔って、この辺にあたります。


縦隔スライド1.jpg


中を管(血管や気管、食道)が通っている、ただの空間(パイプスペース)のことですから、臓器でも、構造物でもありません。

押されたり、引っ張られたりすると、容易に動くのですよ。


例えば、片側性に線維化を伴う病変があるとvolume lossが生じますから、縦隔は患側へshiftします。

ただ、その場合、病変は真っ白ではなく、すりガラスであったり、honeycombであったり、牽引性気管支拡張があったり、何かしらの所見があるはず。


例えば、放射線肺臓炎ですと…


縦隔スライド8.jpg
縦隔スライド9.jpg
こんなにもshiftするんですね。横隔膜も上がっています。病変部をCTで見ますと…


縦隔スライド10.jpg


こんな風(黄矢印)に、牽引性気管支拡張があり、線維化病変であることがわかります。


縦隔スライド11.jpg


こんな風に放射線を当てたんですね〜(緑色の線)。


ちょっと長くなりましたので、このシリーズはいったんお休みします。
また症例が集まってきましたらその都度再開します。


2011年07月14日

胸部レントゲン写真で、ここまでわかる・縦隔は思っている以上にやわやわ・患側へのshift1

縦隔って、この辺にあたります。


縦隔スライド1.jpg


中を管(血管や気管、食道)が通っている、ただの空間(パイプスペース)のことですから、臓器でも、構造物でもありません。

押されたり、引っ張られたりすると、容易に動くのですよ。


例えば、無気肺。


縦隔スライド6.jpg
縦隔は患側へshiftします。
気管もそちらへ移動。


縦隔スライド7.jpg
逆に言えば、縦隔(気管)が患側へshiftしている、真っ白な領域は無気肺の可能性が高い、ということです。


2011年07月13日

胸部レントゲン写真で、ここまでわかる・縦隔は思っている以上にやわやわ・健側へのshift2

縦隔って、この辺にあたります。


縦隔スライド1.jpg


中を管(血管や気管、食道)が通っている、ただの空間(パイプスペース)のことですから、臓器でも、構造物でもありません。

押されたり、引っ張られたりすると、容易に動くのですよ。


例えば緊張性気胸になると…。


縦隔スライド4.jpg
縦隔スライド5.jpg
縦隔は健側へshiftします。
気管もそちらへ移動。


逆に言えば、縦隔(気管)が健側へshiftしている気胸は、緊張性気胸ですから、迅速な対応が求められる、ということです。


こういう、volumeの変化を見るのは、CTよりも胸部単純レントゲン写真の方が得意ですね。


2011年07月12日

胸部レントゲン写真で、ここまでわかる・縦隔は思っている以上にやわやわ・健側へのshift1

縦隔って、この辺にあたります。


縦隔スライド1.jpg


中を管(血管や気管、食道)が通っている、ただの空間(パイプスペース)のことですから、臓器でも、構造物でもありません。

押されたり、引っ張られたりすると、容易に動くのですよ。


例えば胸水がなみなみとたまると…。


縦隔スライド2.jpg
縦隔スライド3.jpg
縦隔は健側へshiftします。
気管もそちらへ移動。


逆に言えば、縦隔(気管)が健側へshiftしている、真っ白な領域は胸水の可能性が高い、ということです。


2011年07月11日

胸部レントゲン写真で、ここまでわかる・横隔膜の位置

例えば、こういう陰影が…。


diaphragm1.jpg


こうなったとしたら、どのような変化が起こったのか、ということです。


diaphragm2.jpg


横隔膜がぐぐーっと上昇してきています。
両側性に肺が縮んできていることがわかります。


網状影があって、両側性に肺が縮んできている、とすると、肺線維症が考えられますね。


2011年07月08日

胸部レントゲン写真で、ここまでわかる・正面像でわかるリンパ節2・傍気管線

縦隔に、傍気管線という線があります。
気管の右の壁が、右肺に接することでできる線です。


これが消失するということは、どういう意味があるか。


傍気管線.jpg


左が消失していますね。右ではハッキリ見えます。
CTを見てみましょう。


傍気管線CT.jpg


傍気管線が消失している=気管(の右側)に接する病変がある、ということです。


傍気管線CT2.jpg


○で囲んだ部分にリンパ節腫脹が見られます。
本来の傍気管線は<黄矢印>のように見えるはずですね。


-->

2011年07月07日

胸部レントゲン写真で、ここまでわかる・正面像でわかるリンパ節1・気管分岐部

この写真はどうでしょうか。


1stcarina.jpg


気管分岐部に注目。


1stcarina1.jpg


通常とは角度が異なりますね。

通常は内股分岐。


1stcarina2.jpg


このような、がに股分岐では、#7リンパ節の腫脹が疑われます。


1stcarinaCT.jpg


2011年07月05日

胸部レントゲン写真で、ここまでわかる・シルエット・サインを使う5の回答

これらの病変。


silhouette51.jpg


心陰影(右2弓・左4弓)はぼやけています。シルエット・サイン陽性です。


これは、心陰影を作る心臓の外縁と病変部が接していることを表します。
右、左ともにS5の病変であるとわかります。

ちなみに右の病変には、よ〜く見るとTram Lineも見られます。


CTで確認してみましょう。


silhouette5CT1.jpg


silhouette5CT2.jpg


左舌区の浸潤影、右中葉には気管支拡張像(tram line)が見られますね。


2011年07月04日

胸部レントゲン写真で、ここまでわかる・シルエット・サインを使う5

異常影はどこにあるでしょう?


silhouette5.jpg


心陰影の左右に見られます。


silhouette51.jpg


この2カ所について、シルエット・サインを適用しましょう。
病変が大きくないので、少しわかりにくいかもしれませんが。


これらの病変は主にSの何番にあるでしょうか?


2011年07月02日

胸部レントゲン写真で、ここまでわかる・シルエット・サインを使う4の回答

これらの病変。


silhouetteko1.jpg


心陰影(右2弓)は見えています。シルエット・サイン陰性です。


これは、心陰影を作る心臓の外縁と病変部が接していないことを表します。
心臓より前方には、スペースは限られていますので、この大きさの病変が
前方に入る余地はありません。したがって、後方にあると考えます。


この高さで後方、ということは、右S10の病変であるとわかります。

もう1つは、横隔膜と陰性ですので、中葉、ないしはS10の病変であるとわかります。


CTで確認してみましょう。


silhouettekoCT1.jpg


silhouettekoCT2.jpg


いずれもS10の病変でした。


2011年07月01日

胸部レントゲン写真で、ここまでわかる・シルエット・サインを使う4

異常影はどこにあるでしょう?


silhouetteko.jpg


3カ所くらいは見えますが、この2カ所について、シルエット・サインを適用しましょう。


silhouetteko1.jpg


1個は心陰影と重なっていますね〜。
これらの病変は主にSの何番にあるでしょうか?


2011年06月30日

胸部レントゲン写真で、ここまでわかる・シルエット・サインを使う3の回答

この病変。


silhouette101.jpg


心陰影(左3〜4弓)は見えています。
これを、シルエット・サイン陰性といいます。


これは、心陰影を作る心臓の外縁と病変部が接していないことを表します。
心臓より前方には、スペースは限られていますので、この大きさの病変が
前方に入る余地はありません。したがって、後方にあると考えます。


加えて、横隔膜が見えています。
これもシルエット・サイン陰性。


横隔膜は主にS8と接していますので、S8には病変がないということがわかります。


さらに。

下行大動脈を見ると、ココで途切れています。シルエット・サイン陽性です。


silhouette102.jpg


ということで、心陰影、横隔膜には接していないが、下行大動脈に接している。すなわち、S10の病変であることがわかります。


側面像でも、このように背側にありますし、


silhouette10RL.jpg


CTでも、横隔膜ドームの後ろにある(接していない)ことがわかります。


silhouette10CT1.jpg


silhouette10CT2.jpg


2011年06月29日

胸部レントゲン写真で、ここまでわかる・シルエット・サインを使う3

異常影はどこにあるでしょう?


silhouette10.jpg


そうです、これですね。


silhouette101.jpg


またまた、心陰影と重なっていますね〜。
左4弓以外にシルエットサインが使えるのは、どの線でしょうか?


そして、この病変は主にSの何番にあるでしょうか?



ちなみにこの部位は、下肺野にあたります。

繰り返しますが、

肺尖:鎖骨より上
上肺野:鎖骨と第2肋骨(前方)の間 主にS1〜3が含まれます。
中肺野:第2肋骨(前方)と第4肋骨(前方)の間 主にS3、S6が含まれます。
下肺野:第4肋骨より下の部分 主に中葉、舌区とS6をのぞく下葉が含まれます。

となり、おおよそこんな感じになります。


silhouette123.jpg


2011年06月28日

胸部レントゲン写真で、ここまでわかる・シルエット・サインを使う2の回答

この病変。


silhouettemac1.jpg


心陰影(左3〜4弓)は見えています。
これを、シルエット・サイン陰性といいます。


これは、心陰影を作る心臓の外縁と病変部が接していないことを表します。
心臓より前方には、スペースは限られていますので、この大きさの病変が
前方に入る余地はありません。したがって、後方にあると考えます。


この高さで後方、ということは、S6、S10にまたがる病変であるとわかります。
CTで確認してみましょう。確かに心臓とは接していませんね。


silhouettemacCT.jpg


前回の問題と同じ場所でしたね。

割とよくあるところで、心陰影の裏になっていることから、注意を喚起する意味で同じ場所を取り上げました(決して、手抜きではありません!)。


2011年06月27日

胸部レントゲン写真で、ここまでわかる・シルエット・サインを使う2

異常影はどこにあるでしょう?
何カ所かありますね。


silhouettemac.jpg


空洞があちこちに見られます。
心陰影と重なっているのがココ。


silhouettemac1.jpg


この部位は、中〜下肺野にあたります。

繰り返しますが、

肺尖:鎖骨より上
上肺野:鎖骨と第2肋骨(前方)の間 主にS1〜3が含まれます。
中肺野:第2肋骨(前方)と第4肋骨(前方)の間 主にS3、S6が含まれます。
下肺野:第4肋骨より下の部分 主に中葉、舌区とS6をのぞく下葉が含まれます。

となり、おおよそこんな感じになります。


silhouette123.jpg


では、本症例のシルエットサインは?
そして、この病変は主にSの何番にあるでしょうか?


2011年06月24日

胸部レントゲン写真で、ここまでわかる・シルエット・サインを使う1・回答

この病変。


silhouette61.jpg


心陰影(左3〜4弓)は見えています。
これを、シルエット・サイン陰性といいます。


これは、心陰影を作る心臓の外縁と病変部が接していないことを表します。
心臓より前方には、スペースは限られていますので、この大きさの病変が
前方に入る余地はありません。したがって、後方にあると考えます。


この高さで後方、ということは、S6、S10にまたがる病変であるとわかります。
CTで確認してみましょう。確かに心臓とは接していませんね。


silhouette6CT.jpg


2011年06月23日

胸部レントゲン写真で、ここまでわかる・シルエット・サインを使う1

まずは、よくあるところから。
異常影はどこにあるでしょう?


silhouette6.jpg


そう、ここですね。


silhouette61.jpg


この部位は、中肺野にあたります。

ちなみに、

肺尖:鎖骨より上
上肺野:鎖骨と第2肋骨(前方)の間 主にS1〜3が含まれます。
中肺野:第2肋骨(前方)と第4肋骨(前方)の間 主にS3、S6が含まれます。
下肺野:第4肋骨より下の部分 主に中葉、舌区とS6をのぞく下葉が含まれます。

となり、おおよそこんな感じになります。


silhouette123.jpg


では、シルエットサインは?
そして、この病変は主にSの何番にあるでしょうか?


2011年06月22日

胸部レントゲン写真で、ここまでわかる1

CT全盛の昨今、胸部レントゲン写真の意義は少なく見積もられがちではありますが…。
例えば診療所であったりして、CTはすぐに撮れない、という環境もあるわけです。

また、CTにも弱点があります。
例えば肺の大きさ。

volume lossや反対に過膨張などの所見は、圧倒的に胸部正面写真がわかりやすいですね。


というわけで、胸部レントゲン写真で、ここまでわかるか!というところを何回かに分けて、見て参りましょう。



胸部レントゲンの見方、系統的な見方はポリクリやアドバンスでかなり繰り返していますので改めては書きませんが、大事なポイントをおさらいしておきましょう。


@骨軟部影の所見を見逃さない
以前にあったような所見にも注意します。本当に多くの情報が骨軟部影に隠されています。



Aシルエット・サインを使う
陰影があったときに、果たしてその陰影はどこにあるのか。
上、中、下肺野のどこにあるかとともに、シルエット・サインをうまく使うことでどのセグメント(1〜10に分かれている、例のやつ)を絞り込むことができます。



B正面像で見えるリンパ節
傍気管線、A-P window、気管分岐部は必ずチェックしましょう。



C縦隔や横隔膜の動きを見る
これらの動きから、肺容量の増減がわかります。


しばらく、これらのポイントに着目して症例を見ていきましょう。


2011年04月25日

縦隔の所見

縦隔を見るときに、ボーッと見ていては所見を見逃します。
各種の線を追いかけていきましょう。

こちらを見て下さい。


tracr1.jpg


わかりにくいかもしれませんが、このあたり。


tracr2.jpg


気管が追いにくい、無くなっているようにも見えます。

CTで見ると…


tracct1.jpg


3Dだと、こうなります。


trac3d.jpg


気管狭窄ですね。こういう所見もレントゲンで捉えることができるのです。
レントゲンに含まれているたくさんの情報を、最大限利用したいものですね。